紛失時に遠隔でファイルを削除する

 
 
　2005年4月～2017年5月までに公表された医療機関で起きた患者の個人情報漏えい事故(*1)によると、医師の起こした主な事故原因は【不適切な持ち出し等】（50.5％）、【置き忘れ、紛失】（28.6％）、【盗難】（14.8％）であり、看護職者では【置き忘れ、紛失】（36.8％）、【不適切な持ち出し等】（27.9％）、【誤送付・誤配布・郵送中の事故】（20.6％）となっています。
　｢あれっ、スマホ（ＰＣ）がない！」という事態が起きた時、データを第三者に見られてしまうかもしれないと不安になる事でしょう。そんな時の為に、遠隔で操作できるように設定をしておきましょう。
 

• 遠隔消去の設定方法は以下のキーワードで検索

｢（携帯やパソコンの名称）　遠隔　消去」

• iPhoneの場合は、「iPhoneを探す」機能がonになっていれば遠隔で消去できる

漏洩事故

• 2019/11/1　氏名・住所・病名などを含む患者症例情報と患者検査情報の合計3,217件（徳島大学病院産科婦人科）

関連情報

• (*1)2018/4/17　看護職者が起こしやすい個人情報漏えい事故の原因に関する分析（J-STAGE）

端末を破棄する際にファイルを完全に消去する

ファイルはゴミ箱に捨てても（Delで削除しても）ハードディスクを初期化しても、実は消えていません。その為、消去するためのソフトウェアもしくはハードウェアを使用する必要があります。
ハードディスクを取り出して物理的に修復できない様に破壊する方法も有効です。
 

完全に消去するソフトウェアやハードウェアがない場合や自分自身で行う事に不安がある場合は信頼のできる業者に依頼しましょう。
 

関連情報

ファイル削除の仕組み

• ゴミ箱に入れたりDelキーを押してファイルを削除しても、ファイルの管理情報を変更して今まであった場所（フォルダ内）に表示できなくしただけで、ファイルはそのまま残っている
• 特殊なソフトウェアを使えば容易に復元できる
• 中古パソコンからのデータ漏洩が多発している

Windows標準のソフトで消去できます。
参考：暗号化ファイル システム用 Cipher.exe セキュリティ ツール（Microsoft）

ファイルの共有はクラウドストレージを利用する

　2005年4月～2017年5月までに公表された医療機関で起きた患者の個人情報漏えい事故(*1)によると、医師の起こした主な事故原因は【不適切な持ち出し等】（50.5％）、【置き忘れ、紛失】（28.6％）、【盗難】（14.8％）であり、看護職者では【置き忘れ、紛失】（36.8％）、【不適切な持ち出し等】（27.9％）、【誤送付・誤配布・郵送中の事故】（20.6％）となっています。
　ファイルを送りたい（別のPCで使いたい）場合、USBメモリなどの情報デバイスを使ったり、ファイルをメールに添付して送ってしまえば非常に便利ですが、デメリットがあります。

• USBメモリなどの情報デバイスの紛失や盗難／メールを誤送信するなどして、情報漏洩となる

クラウドストレージ等を利用し、特定メンバーのみが閲覧できるURLを使用すればUSBファイルなどにコピーする必要はないし、メールで誤送信してしまっても閲覧されません。

• 送信時に「閲覧できないメンバーに送信しますか？」といったアラートが出るものもある

漏洩事故

• 2021/1/19　新型コロナウイルスの感染者414人分の名前や年齢など（わかやま新報）
• 2017/6/26　子宮疾患の患者220名分の個人情報（大阪大学医学部付属病院）

関連情報

「メールに添付したファイルのパスワードは別送します」は安全ではない！？

• 一般的に広く使われている「ファイルを暗号化したものにパスワードを付けてメールに添付して送信、パスワードは別メールで送る」という手法は安全ではないと指摘され、大企業の多くが禁止しはじめている

参考：｢PPAP｣直ちに禁止すべき訳（東洋経済）

• (*1)2018/4/17　看護職者が起こしやすい個人情報漏えい事故の原因に関する分析（J-STAGE）